日頃よりTrue Colors Project(以下、当団体)の活動にご参加・ご協力いただき、ありがとうございます。
茨城県では、先月8月27日(日)に茨城県知事選挙の投開票が行われました。この選挙の投票をきっかけに茨城県で行われる選挙の投票所の在り方について、性自認・性別の面からどうなっているのか、代表の濱川が9月9日(土)に龍ケ崎市選挙管理員会に投票所入場券と投票所での投票用紙の渡し方に関する質問・要望状を送りました。
この質問・要望状を当団体のブログにて公開致します。選挙管管理委員会に質問と要望をすることになった理由も含めて、質問・要望状に書きました。
—–龍ケ崎市選挙管理員会への質問・要望状—–
2017年9月日曜日
龍ケ崎市選挙管理委員会 御中
トゥルー・カラーズ・プロジェクト
代表 ハマカワアツキ
龍ケ崎市の選挙における投票所入場券と投票所での投票用紙の渡し方に関する質問と要望
拝啓
貴選挙管理委員会におかれましては益々のご清栄をお慶び申し上げます。
この度、龍ケ崎市の選挙における投票所入場券と投票所での投票用紙の渡し方に関して質問と要望があり、書面にて質問と要望をさせていただきます。
弊団体「トゥルー・カラーズ・プロジェクト」は茨城県南地域を主な活動場所とし、セクシュアルマイノリティの存在を可視化するために様々な人々と繋がり、身近な場所で活動する団体です。セクシュアルマイノリティとは、下記のことに当てはまる人たちのことをいいます。
・自分の性自認(自分が認識する自分の性別)が生まれた時に割り当てられた性別とは違うと認識する人。例えば、トランスジェンダー、性同一性障害、Xジェンダー、中性、両性、無性、不定性などと自認する人たち。
・性的指向(自分が好きになる人の性別)が典型(男の人なら女の人、女の人なら男の人を好きにる)ではないと自認する人。例えば、男性同性愛(ゲイ)、女性同性愛(レズビアン)、バイセクシュアル(両性愛)、パンセクシュアル(全性愛)、ポリセクシュアル(多性愛)、あセクシュアル(無性愛)などと自認する人たち。
日本では、セクシュアルマイノリティを別の言い方で言うこともあります。LGBT、性的少数者、性的マイノリティなどです。
弊団体の代表である私ハマカワは、性自認が無性(自分の性を男、女、中性、両性、不定性のどれでもないと自認)です。戸籍と住民票に記載されている性別は、男です。戸籍と住民票時に記載されている性別は、私の性自認と一致していません。
私は先日、8月27日日曜日に投票が行われた「茨城県知事選挙」で知事の立候補者に投票しました。投票所は、コミュニティセンターでした。この投票所の受付を担当される方に投票所入場券をお渡しし、投票用紙を機械から出されて、渡された投票用紙から私の性自認とは違う性別で対応されたと感じました。投票用紙を渡す担当の方は、投票用紙を出す機械から投票用紙を出すためにボタンを押されました。そのボタンは2つあり、投票所に来られた方の見た目から男のボタン、女のボタンのどちらかを押すようになっていました。
上記のことより、質問と要望をさせていただきます。
質問
質問1 選挙管理委員会の方々は、投票所に投票しに来られる方の中に戸籍と住民票に記載されている性別と自身の政治自認が一致しない方が来られる可能性があることを認識しているか
質問2 投票に来られた方に投票用紙を渡すための機械から投票用紙を出す際に男と女のボタンのどちらかを押すことになっている理由
質問3 投票に来られた方に投票用紙を渡すための機械から投票用紙を出す際に投票所に来られた方の見た目の性別から男と女のボタンのどちらかを押す理由
投票所に投票しに来られた方が受付の方に渡す投票所入場券に記載されている性別を受付で読み上げることはないため、投票用紙を出す機械のボタンを押す係の方の男と女のボタンの選択は、投票に来られた方の見た目の性別からしていると判断できます。
要望
要望1 自分自身の性自認と戸籍と住民票に記載の性別が一致しない方に配慮した投票所にしてほしい
これまでの選挙で投票所に投票しに来られた方の中に戸籍と住民票に記載されている性別と自身の政治自認が一致しない方が来られる可能性があることを認識していないのなら、次回の龍ケ崎市で行われる選挙から投票所に投票しに来られた方の中に戸籍と住民票に記載されている性別と自身の政治自認が一致しない方が来られることを想定して投票所を運営してほしいです。
要望2 投票所入場券に住民票記載の性別の記載を廃止してほしい
自分自身の性自認と戸籍と住民票に記載の性別が一致しない方の中には、他者に自分の性自認と一致していない戸籍や住民票に記載されている性別に基づいた性別が記載された用紙を見せたくない、見られたくないということから投票所に行くこができないという方がいます。そう思う方は、選挙が行われるた度に投票したい立候補者がいても投票することができません。
大阪府大阪市の選挙管理委員会は、2004年の衆議院議員選挙から投票所入場券に性別の記載をしていません。
参照記事:http://www.asahi.com/senkyo2009/news/OSK200908290041.html
要望3 投票所入場券に住民票記載の性別の記載を廃止する際に代替案を採用しないでほしい
投票所の入場券に住民票記載の性別を記載しないとなると、「投票に来られた方が持参した投票所入場券がその方の投票所入場券か確認させていただく必要が出た場合に性別の確認ができないと困る」という方に合わせて、投票所入場券に記載する性別を漢字ではなく記号やマーク、電子機器による読み取り可能な2次元コードにして、投票所入場券を受け取った方には性別が記載されたことが分からないようにするということをしないでほしいです。性別の記載を漢字から記号やマーク、電子機器による読み取り可能な2次元コードに変更して、見た目上は性別の記載がないということになっても、性別の記載が完全になくなったわけではなく、記号やマーク、電子機器による読み取り可能な2次元コードで男と女のどちらかが記載されていることに変わりはありません。
要望4 選挙の投票用紙を出す機械から男と女のボタンを無くして欲しい
戸籍と住民票に記載されている性別と自身の性自認が一致しない方の中には、見た目の性別だけで他者に男と女のどちらであるのかを勝手に判断されることを苦痛に感じる方がいます。私濱川も他者に見た目の性別でだけで性別が男なのか女なのか勝手に判断されることは苦痛に感じます。実際の生活の中で私が関わる方に「私の性自認は男ではありません」ということを説明することは難しくて、関わることになる全ての方に「私の性自認は男ではありません」とは説明できていません。そのため、説明できてない方から勝手に「自分のことを見た目だけで勝手に男だと判断された」と感じることが多々あります。
見た目の性別だけで男か女かを判断することになると、「自分自身では性自認と見た目の性別が一致しているが、他者による判断だと見た目の性別を間違われる」という方の性別の判断も間違えてしまいます。
上記の質問と要望へ回答していただきたいです。今回お送りさせていただいた質問と要望は、弊団体のブログにて公開させていただきます。そのため、9月日曜日までに書面で回答をいただきたいです。9月日曜日になりましたら、弊団体のブログ(https://truecolorsproject.wordpress.com/)に公開させていただきます。書面以外で回答されることがないようお願い致します。書面以外での回答があった際は、そのことも弊団体のブログにて公開させていただきます。
お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答いただきますようよろしくお願い致します。
敬具
—–ここまで—–
今回、龍ケ崎市選挙管理委員会にお送りした質問・要望状への回答が9月12日(火)差し出しの郵便で回答が来ました。その回答は、下記ブログURLにて公開致します。
https://truecolorsproject.wordpress.com/2017/09/16/0076/
回答をご覧になりたい方は、アクセスしてみてください。
True Colors Project